スーパーのプライベートブランドで、ベトナムのお米が買えるようになってきました。すでに、外食業界では、輸入米と国産米のブレント米が使われるようになっている中、家庭にも輸入米が浸透し始めるのでしょうか。
トライアルや西友ではベトナム米、イオンやダイエーでは米国米と国産米のブレンド米(国産米は2割程度入っているのみ)、関東圏の西友では台湾産米というように、輸入米がどんどん増えています。
これ以上価格が上がったら国産米の需要が下がってしまうと心配している米農家さんの記事がありましたが、輸入米にシフトする人たちが増えれば、まさにそのようになってしまうかもしれません。
ベトナムのお米は、当初は5kg2500円くらいだったようですが、すぐに品切れになって、現状は5kgで3500円前後で売られているようです(2025年4月現在)。
関税の重荷があると思いますが、各スーパーでは国産米より少し安いくらいの価格帯で攻めている印象で、まだ4000円前後で買える地域では、すごく安いという感じはしないです。
スーパーによっては、4000円前後のお米は常に品切れで、5000円前後のお米ばかり並んでいるようなこともあります。そういった状況であれば、1000円以上安くはなりますから、購入しようと思う方は多くなるかもしれません。
価格がもう少し安ければという歯がゆさがはあるものの、2024年のようなお米不足を想像すれば、大手スーパーが輸入米の扱いを増やす流れには少し安心感があります。本来は、国が主導してやることだとは思いますが・・・。
備蓄米の投入で、お米価格が下がると政府は言っていたのに、現状、その気配がないです。
価格が下がらなければ、さらに備蓄米を市場に出すようですが、高く落札しているJAばかりがお米を確保しているようで、これから価格が下がるだろうという期待を感じられません。
米農家さんは全然稼げていないというのに、お米価格はどんどん上昇していて、誰もその価格上昇をに歯止めをかけられない現状にもどかしさを感じます。
さらに地域のお米専門店が、お米が確保できなくて休業や閉業に追い込まれているという深刻さもあります。
備蓄米の投入だけでは米価格の高騰は止められないようですし、国産米の増産をする計画はあるようですが、すぐにお米が増えるわけでもありません。農家さんにしてみれば、減反政策の影響もあって、すぐに増産できるような余力はないというお話もあります。
そのような状況で、「もう輸入米でいいよ」という人たちが増えてきたら(海外の米農家さんには申し訳ない言い方ですが)、令和の米騒動は、国内の米農家さんをさらに苦しめてしまうかもしれません。
日本農業新聞によると業務用の輸入米の扱いが増えているそうです。コンビニのおむすび、牛丼用のご飯なども輸入米が使われるようになっています。ファーストフード店やファミレスなどは元々輸入食材が多いですから、お米が輸入米であっても、安さが優先する中であまり違和感はないかもしれません。
業務用でも輸入米は存在感を増す。大手コンビニのセブンイレブン2月から、「香ばし炒め玉子チャーハンおむすび」(149円)の原料米を国産からオーストラリア産に切り替えた。牛丼チェーンの松屋を展開する松屋フーズホールディングスは24年5月から、松屋を含む9ブランドの一部店舗(約1100店舗)で、米国産「カルローズ」と国産のブレンド米を使い始めた。~日本農業新聞 2025年3月18日~
アメリカ・台湾・ベトナムでは日本人にも食べやすいお米が作られていて、そのお米の品質も上がっています。その結果、「国産米が高いから、輸入米でいいよ」と諦めていた人たちが、安いし味も及第点だし「輸入米いいね!」と言う人たちが増えるかもしれません。
国産米が高くなって、代替品を求めている流れなのか、Amazonなどネット通販でも、輸入米は結構売れているようです。
輸入米の品質が上がっていることは確かなようですし、輸入米に適した調理方法や食べ方も分かってきて、国産米とは違った楽しみを発見している方も多いようです。
牛肉や豚肉をスーパーで買うとき、アメリカ・オーストラリア・カナダなどの輸入ものと国内産が並んでいる光景は珍しありません。これと同じように、輸入米が当たり前に店頭に並んで、国産米と輸入米でどっちにするという時代になるのでしょうか。


